映画 渋谷シネマヴェーラ 瑳峨三智子

「渋谷シネマヴェーラ」瑳峨三智子を追いかけて-1

2019年10月22日

2017年11月のある日曜日。

久しぶりに池袋のブックオフ、ジュンク堂と行ったついでに「古書往来座」まで足を延ばす。「古書往来座」はジュンク堂から雑司ヶ谷方面へすこし歩いたところにある正統派古書店。気軽に立ち寄りたいのだが池袋駅からだとわりと遠い。

映画本が充実している。先日亡くなった和田誠の『ヒッチコックに進路を取れ』山田宏一・和田誠共著もここで買った。その日、購入したのは店頭の棚にあった廉価本、松本清張「迷走地図」上下単行本、山田風太郎「神曲崩壊」単行本。

店内に各名画座のちらしが多数置いてあり、その中に「女優 瑳峨三智子」を見つけたときは道を歩いていて懐かしい人に再会したような気がした。

12月2日から22日まで21日間にわたり、渋谷のシネマヴェーラで上演されるという。プログラムを見ると、観たかった映画やもう一度鑑賞したいものが目白押しだ。
この機会を逃せば、当分いや永久に観られないものもあるかも知れない。

渋谷円山町、名画座、瑳峨三智子と揃うと行かない理由はない。

「女優 嵯峨三智子」ちらし

「女優 嵯峨三智子」ポスター

瑳峨三智子といえば、大女優山田五十鈴の娘として生まれ、父親も同じく俳優の月田一郎のサラブレッド。しかしかって母親は娘を置いて別の男のもとへ走り、嵯峨は棄てられた形となる。そのことの憎しみからお母さんと呼ばずに「山田さん」と呼んだという。しかし、女優になった娘を売り出そうと、山田五十鈴は映画を企画したり、多くの作品で競演したりいている。今回特別上映の「おしどりの間」もその一本。

そして母親ゆずりの美貌と演技力で瞬く間に人気女優となる。

俺が瑳峨三智子をスクリーンで観たのは、ちょうどその頃であった。勝新太郎と田宮二郎の名コンビでおなじみの「悪名市場」1963年4月 シリーズ6作目。
キャストは、芦谷雁之助、子雁の演技るにせ朝吉と清二や白木みのる、茶川一郎、そしてラストシーンに次回作の予告もかねて登場する、新にせ清二の藤田まことなどおなじみの関西コメディアン。
そしてパチンコ店の咲枝役でサガミチが色をそえる。この時、瑳峨は28歳位だが、色っぽさを突き抜けた妖艶さ全開である。

「悪名市場」は「悪名」シリーズの中では、一般の評価はそれほど高くないようだが俺的には、ベストワンとしている。

さて、渋谷シネマヴェーラ「女優 瑳峨三智子」であるが、すべてを観たいとおもったが年末の慌ただしい時期だったこともあり、ぜったいに抑えておきたい作品は必ず見ることでスケジュール調整をした。DVDで観ることのできるものはとりあえずパス。

まず特集6日目の12月6日(水)

18:30 この日3回目開演の「裸体」永井荷風原作 27歳位
監督:成澤昌茂、撮影:川又昂

代表作である「恋や恋なすな恋」と同じ1962年の作品。
仕事が終わってから駆け付けたが、初めて行くところなので探しながらギリギリたどり着く。途中コンビニでホットコーヒーを買っていく。ワクワクの瞬間。

この「裸体」と「こつまなんきん」は一番観たかった作品。カラーでフィルム状態も今回上映作品のなかでは、まあまあ良かった。
機会があればもう一度観たい。「こつまなんきん」とともにDVDを出してほしい作品だ。

ちなみに監督の成澤昌茂は、瑳峨三智子をモデルにしたといわれる瀬戸内晴美(寂聴)の小説「女優」の文春文庫版で解説を書いていて、この「裸体」のエピソードも披露している。

20:30からは、「小さな花の物語」壷井栄原作 モノクロ 1962年作品 26歳位
この年で小さな女の子のいる美貌の未亡人役。子供が大人になってからの役は、当時人気女優だった桑野みゆき。恋人役に川津祐介。
「裸体」と違って地味な作品だが、味わい深い文芸作品。

帰りはすっかり夜だったが、渋谷の街はクリスマスシーズンで賑わっていた。

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梶トシユキ

このブログの管理人。昭和の風俗やサブカルをこよなく愛する好事家オヤジ。趣味は本屋と古書店そして温泉巡り。動物園前から飛田新地を抜け、旭通(旧あべの銀座商店街)を通り、天王寺まで歩くのが時々の散歩コース。大阪出身。ハンドルネームは、昭和の性豪作家である梶山季之に由来する。東京や大阪に出没。

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